シルクホースクラブ 2022年度 出資方針

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シルクホースクラブ 2022年度 出資申込開始

 シルクホースクラブの2022年度の出資申込が7月19日より開始されました。今年もいよいよこの時期が来ましたね。

 今回の記事においては、この2022年度の出資に向けて、どのような戦略で出資申込を行うか、という方針についてまとめていこうと思います。出資方針を検討されている方はぜひご覧くださいますと幸いです。

 なお、先んじてYou Tube動画でも類似の動画を制作しておりますので、ぜひそちらもご視聴くださいますと幸いです。

前提の整理① 利益を出すために必要な獲得金の整理

 一口馬主は投資であるため、体験的に楽しむという目的もありつつ、基本的には収支プラスを目指したいというのが私の考えです。収支プラスとなる目標獲得金の目安は馬の出資代と維持費を合計した費用に1.67倍をかけた金額となります。
 維持費には保険代などがかかりますが、ここではざっくりと預託料とさせていただきます。

 こうした目標計算においては、大枠の金額で、厳しめ設定がより黒字に近づくと思いますので、金額は高めで設定しています。JRAのFAQによると、厩舎への預託料はおよそ70万円/月となります。対して、育成牧場や外厩への預託料は、私の経験上口数で割る以前は40万円ほどと想定できます。厩舎と外厩が年間で半々程度と仮定したとき、(70万+40万)×6ヶ月=660万≒700万として計算します。
 シルクホースクラブでは6歳3月で牝馬は引退とされているので、維持費総額の想定は2歳から5歳末までの4年間でざっと計算すると、約2800万円の維持費がかかるという想定となります。

 馬代にこの維持費を足した数字に1.67をかけると、収支プラスとなる目標金額となります。

 この1.67倍という数字は競走馬が取得できる獲得金をベースに算出しています。競走馬がレースで獲得できるお金は、本賞もしくは出走奨励金に加え、出走手当やその他奨励賞を含めたものです。以下にまとめます。

スクロールできます
本賞金1着から5着までがもらえるレースの賞金
出走奨励金全競走の6着馬から9着馬がもらえる賞金 (重賞や平地OPは10着まで)
特別出走手当出走するともらえる手当
特別出走奨励金G1,G2で11着以降の馬に支払われる奨励金
距離別出走奨励金3(4)歳以上の芝1,800m以上の平地競走の 1着馬から10着馬に支払われる奨励金
内国産馬奨励賞平地の全競走において、 1着から5着となった内国産馬に支払われる奨励金
内国産牝馬奨励賞平地の新馬・未勝利競走において、 1着から5着となった内国産牝馬に支払われる奨励金
具体例:シルクHC出資馬リンドラゴ
3歳未勝利戦勝利時の獲得金

 上記の通り、総獲得金の約64%が分配金となります。総獲得金×64/100>(募集価格+維持費)となれば収支プラスが見込めることとなります。これを厳しめに見積もって約60%が分配金となると想定したとき、その逆数となる1.67を募集価格+維持費にかければ収支プラスとなる見込み金額が算出できるということになります。

具体例 2020年産出資馬アッシュフォードの場合
  • アッシュフォード
    • 父:ハーツクライ
    • 母:ハーレクイーン
      • 母の父:Canford Cliffs
    • 性別:牡馬
    • 生年月日:2020年2月9日
    • 所属:栗東・藤原英昭厩舎
    • 募集総額:5,000万円
      • 一口価格:100,000円

募集総額(5,000万円+2,800万円)×1.67=約13,000万円

13,000万円は重賞を勝たないとなかなか到達しない金額。

 私の出資馬であるアッシュフォードは馬代的に収支プラスに到達するためには、重賞を勝利する水準で活躍してくれないといけないという、そんな水準です。なお、今期のシルク募集馬の価格は3,000万円~4,000万円に多く存在しています。

2022年度 募集馬の父と価格 ボリュームゾーン

 全体の平均募集価格は3,600万円で、最も多いのは15頭いる4,000万円の募集馬です。その水準で計算していくと、目標獲得金は1億円超となります。古馬でオープンクラスに入るためには収得賞金が1,600万円以上が必要となります。仮に特別戦を1度も経験せず、各クラスを勝ち上がってオープン入りすると獲得金は約5,000万円となります。(仮にすべて特別戦でも6,000万には届かない)
 つまり、シルクホースクラブのボリュームゾーンにある馬に出資しようとすると、まずオープンクラスに入れるレベルでないと黒字化は困難であり、黒字を目指すのであれば、オープン以上の活躍を期待できる馬だと思える馬に出資しないといけないこととなります。

 ちなみに、シルクホースクラブで募集された2014年産~2018年産の5世代約300頭のうち、この獲得金を達成したのは推定30頭で、約10%がこの水準まで稼いでくれています。そのため、絶望的な数字ではないと思います。

前提の整理② 赤字を考える

 シルクホースクラブにおいては、約4割の馬が中央の未勝利戦を突破することができません。未勝利引退は、皆さん極力避けたい事象ではないかと思います。私の初年度出資馬のベルエポックは、故障もあって2戦未勝利で引退した競走馬です。競走能力は評価された馬ではあり、未勝利突破も可能な感があっただけに、当時はとても悲しく思いました。

ベルエポックの概要

 そんなベルエポックは、レースと引退時精算金で、以下の金額を獲得してくれました。

 合計獲得金がおおむね維持費とトントンレベルであり、ベルエポックにおける赤字計上はおおよそ出資代金と同じくらいに落ち着きました。レース中の故障による引退だったため、JRAより6ヶ月の事故見舞金が下りています。300万円は8着以内に複数回入れば届く金額ではあるため、特別大きな金額ではないと思います。
 また、牝馬であったため、牧場買取が発生しており、その金額は募集価格の10%ですから、300万円となっています。

 これらを総合していくと、牝馬に出資すると、仮に未勝利であっても赤字は出資代金程度で済むとも言えます。

 ちなみに先ほど算出した維持費700万円ですが、それをレースで稼ごうとすると、1勝クラスでは5着以内を年間5回程度記録してもらわないとなりません。新馬・未勝利勝ち上がりは維持費分くらいにしかならないため、実は勝ち上がって以降は掲示板に入れない、が最も赤字が大きくなるとも言えますね

 勝ち上がることで赤字幅は大きくなる可能性はあるものの、牝馬に出資していれば、赤字は馬代程度で済む可能性が高く、2勝以上すれば少ない赤字で一口馬主生活を楽しめる可能性も十分にあります。

シルクホースクラブの募集の在り方の改訂

 シルクホースクラブは実績制度と抽選時優先制度を用いた出資申込を行うクラブです。

 そのため、画像のように実績を数年かけて積み上げていったほうが出資したい馬に出資できる可能性が高く、私は21年度募集から3カ年で実績を積み上げる戦略を練っていました。しかし、今年度より1.5次募集の開始、次年度より入会制限と頭数制限が始まるというアナウンスがありました。これは、会員が出資したいと思う馬に出資しやすくする、1頭も所有できないというリスクを軽減できるようにする、という改定方針によるものです。
 この方針を信じるのであれば、これまでより出資しやすい環境になっていく可能性があり、無理に実績を積みに行く必要はないのではないか、と考えられます。

 また、1億円以上の獲得金回収できる馬の割合が約10%としたとき、上記画像の戦略でその10%の馬に複数口出資が叶えば、大きな黒字を見込めるものの、赤字になった場合、回収するのがかなり難しくなってしまいます。

 こうしたクラブの改定方針と、現実問題を整理して、私は22年度募集の方針を以下のように設定しようと思います。

王道路線を狙える牡馬と妙味のある牝馬への出資

 2014年産~2018年産の募集馬のうち、獲得金1億円以上の活躍馬は約10%ですが、うち3億円超は9頭おり、1億円以上稼いだ馬の3割強は3頭分の成果を残してくれている、ということになります。重賞好走、オープン好走となると、出走機会にも恵まれますし、大レースへの挑戦権も獲得しやすくなりますから、当然といえば当然ではあります。
 そこから鑑みると1頭の黒字馬で複数頭の赤字を解消する、というのが収支黒字への現実的なルートでしょう。

 大きな黒字に期待するのであれば、混合重賞で有利で、かつ賞金も高い傾向のある牡馬に期待したほうが良いでしょう。実際、獲得金1億円以上の馬のうち、2/3は牡馬です。さらに、大きな活躍をすれば種牡馬入りの可能性もあり、さらなる黒字が見込めます。そのため、10%の活躍馬を狙うのであれば牡馬が良いと考えます。かつ、種牡馬入りが期待できる父≒後継を望まれている父を持ち、レースが充実している芝の王道路線での活躍が見込めるタイプが良いでしょう。

 加えて、買取があり、募集価格が安価になりやすい牝馬も狙い目です。活躍してくれればもちろん黒字になりますし、仮に良い成果が残せなくとも、赤字幅は小さいものにすることができます。赤字を前提に出資するのはおかしな話ではありますが、こうした考え方もアリだと思います。シルクホースクラブは母馬優先がありませんが、出資馬の仔が募集にかかるとなると、有利にならなくとも一口馬主体験としてはとても良い体験にはなりそうです。

 上記内容より、私の出資方針は以下の通りです。

芝王道路線での活躍が見込める牡馬
父系の発展が見込まれるとなお良い

配合的に妙味がある牝馬
おもしろい!これに出資したい!と思える馬

実績積み上げ路線は断念

 このような方針で進めていこうと思います。牡馬1頭、牝馬2頭に出資できるととても良いなと思います。とはいえ、そううまくはいかないと思いますので、ここから先は抽選運ですね。

まとめ

 昨年立てた計画が見直しとなり、方針を決めるまでにかなり時間がかかってしまいました。募集馬の画像・動画も公開されましたので、ここからまた募集馬の分析を実施していこうと思います。

 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人

HN:シオノゴハン
趣味:競馬と雑学調べ
一口馬主:
シルクホースレーシング 2019年~
ノルマンディーオーナーズクラブ 2020年~
インゼルサラブレッドクラブ 2021年~
POG:不愉快な仲間たち

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