シルクHC 21年度追加募集馬分析 サルスエラの20

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シルクHC 21年度追加募集馬が公開→分析方針

 シルクHCより、21年度追加募集馬の情報が公開されました。今年は10頭募集で、300口が実績で優先、残りの200口は抽選ですので、実績がなくとも運さえ良ければ当選できます。

 その10頭の募集馬を分析していこうと思います。時間の許す限り、全頭を目指して分析をしていこうと思いますが、平日ということもあって難しそうです。極力コンパクトに、かつオッと思った馬から徐々にまとめていければと思います。ぜひ、お読みいただければと思います。

 なお、追加募集馬の出資基準や方針に関しては、先日YouTubeにアップさせていただきました。シルクHCでの出資方針を考えるうえで、何かのご参考になるかもしれません。そちらもぜひご視聴いただけますと幸いです。

シオノゴハンチャンネル

募集馬分析 注意書き

 本分析は募集馬の活躍を保証するものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にて実施をお願いいたします。

 また、馬券的な分析をするものではなく、一口馬主として出資をするうえでの分析ですので、馬券を検討する際の情報としては有効なものではありません。ご了承くださいますようお願いいたします。

 以下、参考図書です。

募集馬概要 サルスエラの20

サルスエラの20
  • サルスエラの20
    • 父:エピファネイア
    • 母:サルスエラ
      • 母父:マンハッタンカフェ
    • 性別:牡馬
    • 生年月日:2020年04月19日
    • 所属予定:栗東 音無秀孝厩舎
    • 生産牧場:レイクヴィラファーム
    • 募集総額:6,000万円
      • 一口価格:120,000円

 サルスエラの20はレイクヴィラファームの生産です。レイクヴィラファームの前身はメジロ牧場です。レイクヴィラファーム産のシルク募集馬にはグローリーヴェイズなどがいます。グローリーヴェイズも追加募集で募集された馬ですね

 サルスエラの20は手術歴があり、OCD除去手術を21年3月に実際しています。生後1年経つ前に手術をしているため、そこまで心配する必要はないのではないか、と思います。

 母サルスエラは未出走引退。Glorious Songの牝系で、3代母Morn of SongRahyの全妹で、Singspielの半姉にあたる血統です。近親にヴィルシーナシュヴァルグランヴィブロスのきょうだいがいます。私がインゼルサラブレッドクラブで出資しているシュニー(チカリータの20)もこの一族の出身です。シュニーから見て、サラスエラは祖母にあたります。

 日本適性の軽く速い芝への適性が高く、勢いもかなりある牝系の出身であることは間違いありません。こうした名牝系出身というのは、引退後の未来にもつながる要素でしょう

血統分析

サルスエラの20
サルスエラの20 血統分析
  • 母サルスエラが好配合かつ名牝系。
    • Glorious Songの牝系である。
    • マンハッタンカフェ×Blushing Groomはニックス。
  • エピファネイアの魅力を引き出す配合。
    • サンデーサイレンスのクロス持ち。
    • Haloのニアリークロスが充実し、柔らかく速い。
    • 緩くなりすぎないNureyev≒Sadler’s Wells

クラシックでの活躍が期待できる好配合。中距離路線での活躍を期待したい。

 サルスエラの20の配合のポイントとして、まず母サルスエラが好配合であり、かつ名牝系であることがあげられます。

 サルスエラの父マンハッタンカフェはサンデーサイレンスの以降、ディープインパクト以前の時代にリーディングサイアーを獲得した名種牡馬です。マンハッタンカフェはドイツ牝系で重厚なスタミナを持ち、かつサトルチェンジの場合は祖父に凱旋門賞馬のAllegedを持ちます。こうした母系のスタミナに、Halo≒Boldnesianの2×4を持ち、そこがスピードの源です。ディープインパクトが母系のスタミナを生かしつつ、Halo≒Sir Ivorの2×4でスピードを増強したのに近いイメージですね。ただ、Sir Ivorはより柔らかくしなやかなのに対し、Boldnesianは力強いスピードのイメージがあります。

Royal Charger≒Nasrullah Blue Larkspur・Teddy・Pharamond=Sickleが共通 割と北米チック

 マンハッタンカフェはディープインパクトほど軽くスピードがあるタイプではなく、よりステイヤー気質のある競走馬であるため、Halo≒Boldnesianのニアリークロスを刺激するスピードのある血や、CaerleonやStorm Catのような柔らかくストライドが利く血を取り入れた馬が成功しています

 ヒルノダムールNijinskyBlushing Groom(Red God)ですし、ルージュバックBoldnesianのクロス。レッドディザイアジョーカプチーノCaerleonです。

 サルスエラはどうかというと、Morn of Songの仔ですから、Blushing Groom由来のRed GodGlorious Song由来のHaloを持ち、これらの要素がマンハッタンカフェとかみ合っています。サルスエラは未出走でしたが、マンハッタンカフェの配合としてはかなり魅力的であり、それなりに走れたのではないか、と思います。

 父エピファネイアは種付け料トップの次世代のリーディングサイアー候補。牡馬ではエフフォーリアが3歳時に皐月賞・天皇賞・有馬記念のG1を3勝。牝馬ではデアリングタクトが牝馬3冠、現3歳世代ではサークルオブライフが阪神JFを勝利しています。クラシックでの活躍が目立っており、世代の頂点を決めるレースに出走する馬に出資したい場合、ぜひ狙っていきたい種牡馬です。

 エピファネイアの分析記事は少し前に書いているので、今は少し考え方が変わっている部分もあります。ただ、大枠は一緒のままです。

 エピファネイアのポイントはKris S.≒Habitatの2×4で柔らかいスピードを持ち、母父スペシャルウィークのサンデーサイレンスとマルゼンスキーがそれを確かなものにしている、という点にあるのかな、と思っています。産駒においては、その柔らかなスピードを増強しつつ、緩くなりすぎないよう引き締める要素を同時に取り入れる、ということが大事だと考えます。

 Sadler’s Wells≒Nureyevが発生しつつ、Northern Dancerの血を補強できるキングカメハメハと相性が良いのはそれが理屈で、Halo≒Sir Ivorで柔らかさの強いディープインパクトと掛け合わせるときには、より強く引き締めるためにSadler’s Wellsの血も同時に取り入れる必要があるのだと思います。

 サルスエラの20においては、母サルスエラがマンハッタンカフェの成功配合パターンとして、HaloやRed Godの血を取り入れ、Halo≒Boldnesian≒Red Godが成立しています。これはエピファネイアの持つ柔らかなスピードを増強するためには好相性といえるでしょう。加えて、サンデーサイレンスもクロスしていることも魅力です。エピファネイアの魅力はKris S.≒Habitatの柔らかさですが、同時にRoberto系でSadler’s Wellsの血を引く馬でもあり、日本の軽い芝においては非主流の要素も持ちます。サンデーサイレンスのクロスを発生させることで、より主流に近づけていくことも、エピファネイア産駒においては大事な要素だと考えられます。

 マンハッタンカフェの起点で見ると、エピファネイアがマルゼンスキーの血を持つことも魅力です。マルゼンスキーはCaerleonと近い血を持ち、マンハッタンカフェとは好相性の血だと考えられます。Caerleonの方がより適していますが、マンハッタンカフェ×Caerleonの魅力となったPrincequilloとLa Troienneの要素はマルゼンスキーも持っており、かみ合う可能性は高いでしょう。

 ここまで、エピファネイアの柔らかなスピードを増強する要素ばかりですが、それだと緩くなりすぎてしまう恐れがあります。それを引き留める用途として、Sadler’s Wells≒Nureyevが4×3でしっかりと入っており、引き締めにも成功しています。

 かなり完成度の高い配合ではないか、と考えています。手術の影響がもうなく、健康に進行すれば、クラシックでの活躍が見られるのではないか、そんな期待をさせてくれる馬だと思います。

まとめ

 サルスエラの20が所属する厩舎は栗東・音無厩舎。リーディング上位で実績も抜群の厩舎です。シルクの馬ではインディチャンプやピクシーナイトの2頭のG1馬を預託されています。

 厩舎も間違いないですし、配合も魅力的。大物は出ていないものの、出走したきょうだいは5/7勝ち上がりかつ2勝以上。1つ上のチェリーオントップも勝ち上がる可能性が高く、この馬も期待して良いのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

HN:シオノゴハン
趣味:競馬と雑学調べ
一口馬主:
シルクホースレーシング 2019年~
ノルマンディーオーナーズクラブ 2020年~
インゼルサラブレッドクラブ 2021年~
POG:不愉快な仲間たち

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