牝馬:シーザリオを考える

一口馬主
スポンサーリンク

牝馬:シーザリオを考える

 今日は牝馬・牝系を考えるシリーズの第2回を書いていこうと思います。今回取り上げるのはシーザリオです。

 シーザリオはエピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアの母として知られ、今まさに日本競馬の血統図に消えることのない名前を刻もうとしている名繁殖です。エピファネイアはシンボリクリスエス産駒、リオンディーズはキングカメハメハ産駒、サートゥルナーリアはロードカナロア産駒と、異なる父を持っていることも、シーザリオの繁殖としてのすごさを物語っています。

 シルクホースクラブの募集馬でもエピファネイアとリオンディーズの産駒は合計6頭募集されており、出資馬検討でも欠かせません。シーザリオを考えたあと、エピファネイアとリオンディーズの分析も実施しますので、書き上げましたらぜひご参照ください。

この記事はこんな人にオススメ

  • 競走馬の血統に興味がある人
  • 一口馬主を始めようか悩んでいる人やすでに始めている人
  • 一口馬主で出資馬を検討している人
  • POGの指名馬を考えている人

血統、牝系について何かお役に立てたら幸いです。

シーザリオ産駒の種牡馬

  • エピファネイア (父:シンボリクリスエス Roberto系) 2010年産駒
  • リオンディーズ (父:キングカメハメハ Kingmanbo系) 2013年産駒
  • サートゥルナーリア (父:ロードカナロア Kingmanbo系) 2016年産駒

 このほか、2011年産駒のロザリンドからG2を2勝したオーソリティ(父:オルフェーヴル)が出ており、孫世代でも活躍馬を出しました。牝系としても拡大を始めています

シーザリオについて

 シーザリオは2002年生まれの牝馬です。生産はノーザンファーム、馬主はキャロットファームです。同期にはディープインパクトヴァーミリアンカネヒキリがいます。

 シーザリオは2歳と3歳の2年間を競走馬として過ごします。新馬、500万下、フラワーカップを3連勝し、迎えたクラシック初戦の桜花賞を2着に入っています。その後にオークスを1着でG1初制覇。そのまま渡米してアメリカンオークス(G1)を制しています。

 日米オークス馬といわれていますが、アメリカンオークスはいわゆる”優駿牝馬”に該当するレースではありません。シーザリオが制した当時は1着賞金40万ドルでしたが、現在は15万ドルのレースです。もともとアメリカのレースは賞金が決して高いわけではないだけに、ダートが主流のアメリカにおいて牝馬の芝路線の40万ドルはかなり高額ではあるのですが、全米一位の3歳牝馬を決めるレースではありません。

 とはいえ、3歳馬が春のクラシック路線を連戦したうえで海を渡り、国際G1を制したという事実はとてつもなくすごいことであり、日米でG1競争を勝利した競走馬としてシーザリオが偉大であることは間違いありません。

 当時のレース映像を見ると、すごく行きたがる印象で、それをなだめてなだめて最後に爆発させるという競馬で勝利をしているように感じました。かなり繊細な印象があり、もまれ弱さもあったのではないでしょうか。繊細な気性を扱い、その加速力と絶対的スピードを生かすためには、鞍上の技術と相性が試される印象を受けます。

 その後帰国後の調教中に故障を発生し、4歳春に引退しています。

 繁殖牝馬として12頭の産駒を残し、3頭が種牡馬入り、2頭が繁殖牝馬入り、3頭は今なお現役です。12番目の子は2020年産駒で、おそらくキャロットから募集となるのではないでしょうか。とても残念なことに、2021年にシーザリオは19歳で死去しています。

シーザリオの血統について

 シーザリオの3代配合表は以下の通りです。

シーザリオ

 父スペシャルウィーク17戦10勝(うちG1を4勝を含む重賞9勝)です。ウマ娘1期の主人公として最近改めてフィーチャーされました。種牡馬としてのスペシャルウィークはJPN1を含むG1馬を5頭輩出しており、種牡馬としても大きな成功を収めています。BMSとしてもG1馬を5頭出しており、存在感を示しています。

 母キロフプリミエールは欧州G3を勝利した重賞馬です。両親それぞれの配合表は以下の通りです。

スペシャルウィーク
キロフプリミエール

 シーザリオの繊細な気性は、父スペシャルウィークのHaloAureoleから来ていると推測できます。スペシャルウィークは育った環境が特殊だったこともあってか、穏やかな気性の持ち主だったとされますが、サンデーサイレンスはもちろん、母のキャンペンガールも相当に気性が難しい馬だったそうです。

 キャンペンガールの母父セントクレスピンはAureole産駒です。Aureoleの父Hyperionは小柄ながらボス的な馬で気性も荒々しかったとされています。その産駒の中でもAureoleは極めて気性が悪かったそうで、古馬になるまで実力をまともに発揮できないほどだったそうです。Aureoleの血の影響はかなり強いようで、エピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアといったシーザリオ産駒はみな繊細な気性の持ち主ですし、Aureoleの血を引く馬は繊細な気性を引き継ぐ傾向があるようです。

 スペシャルウィークとキャンペンガールの組み合わせだと、Turn-to系の種牡馬の血を3頭の馬から引くことになります。

Halo, Bold Reason, Habitat

 特にHaloとBold Reasonは父Hail to Reasonが同様であるだけでなく、クロスの構成もかなり近く、ニアリーな存在となります。似た血を持つ部分を赤で色付けしてありますが、HabitatはHaloとBold Reasonに比べてやや遠いのですが、それでも近い血を多数持っています。HabitatのほうがPrincequilloが入る分、柔らかさが強い印象です。

 これらの血を複数持つと、スピードと加速力が強化されるのはもちろんですが、気性難も加速しそうです。シーザリオの気性の繊細さはAureoleの血とこのHalo≒Bold ReasonとHabitatの影響もあるのだと考えられます。

 気性的に難しくなるのはマイナス要素ではありますが、Aureoleの持つスタミナ、Haloのニアリークロスによる加速力とスピードはシーザリオのとても大きな魅力でもあります。

 このほかのクロスでいうと、マルゼンスキーとSadler’s WellsによるNorthen Dancerクロス、CosmahNatalma姉妹による名牝Almahmoudのクロスが発生しています。Northen Dancerクロスでパワーを補いつつ、Almahmoudでは柔らかさとスタミナを補う印象です。

CosmahとNatalmaによるAlmahmoudクロス

 総合していくと、スピードと加速力と柔らかさとスタミナの要素が結構集まっており、その代わりに気性の繊細も受け継いでいるようです。一方、スタート同時に突進してそのまま逃げ切ってしまうような要素や、馬群を割ってゴリゴリにまくってくるような要素、つまるところアメリカンなパワフルさはあまり強く持っていない印象です。

 競走馬としてのシーザリオを見ても、その血統の印象通りになっているのではないでしょうか。

まとめ

  • パワー的な要素を持つRoberto系種牡馬と配したエピファネイア
  • NureyevによるSpecialクロスやNorthen Dancerの多重クロスを実現したリオンディーズ
  • リオンディーズの要素にStorm Catを加えたサートゥルナーリア

 活躍した産駒を見ても、シーザリオの血にはパワーや締まりが求められている印象があります。そして、それをもってしてもシーザリオの持つ魅力は産駒に伝わっており、父を変えても産駒の強みと弱みは似たものを結構持っているように思います。

 それぞれの具体はそれぞれ記事にしていきたいと思います。

 シーザリオは牝系を拡大するほどまだ古い馬ではないのですが、すでに牝系の孫世代から重賞馬が出ており、今後も増えていく可能性が十分にあります。My Bupersもそうでしたが、遺伝的に強い要素を持つ牝馬は、世代を経て血が薄まってきても、それを呼び起こす父と出会うことでその勢いを取り戻します。シーザリオが種牡馬の母としてだけでなく、牝系の祖としても活躍していくことは間違いないと思います。

 読んでいただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

一口馬主シルクHCシーザリオエピファネイア牝系分析リオンディーズ
スポンサーリンク
ブログをフォローする
シオノゴハンブログ

コメント

タイトルとURLをコピーしました