インゼルサラブレッドクラブ 2022年度募集
インゼルサラブレッドクラブの2022年度募集の先行申込が開始されました。 受付期間は10月1日から23日まで、途中経過は7日と23日に公開されます。これから私自身が検討した内容を文章にし、整理していこうと思っています。その内容が皆様のご参考になりますと幸いです。
募集制度の変更やインゼルサラブレッドクラブの紹介については、過去記事や私のYou Tube動画【インゼルサラブレッドクラブ 加入1年で感じる魅力・推奨ポイントの紹介】をご参照ください。
本分析は募集馬の活躍を保証するのものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にご決断ください。また、私の主観による分析ですので、読者の望まない表現が出てくる可能性もございますが、ご了承ください。
募集馬概要 レトⅡの21
- レトⅡの21
- 父:エピファネイア
- 母:レトⅡ
- 母父:Diesis
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年4月28日
- 母18歳時の産駒
- 所属予定:美浦 国枝栄厩舎
- 生産:ノーザンファーム
- 募集総額:5,000万円
- 一口価格:100,000円
レトⅡの21はノーザンファームの生産馬で、母18歳時の産駒です。インゼル募集馬としては珍しく高齢の母です。
母レトⅡはフランスで走った競走馬で、未勝利引退。半きょうだいにG1馬のShivaやLight Shiftがいます。Light Shiftからはユリシーズ(Ulysses)が出ています。そのほか、近親にクロスオブスターズ(Cloth Of Stars)がいます。
レトⅡには日本で産んだ馬が本馬含め9頭の産駒がおり、うち2頭が中央勝ち上がりとなっています。うち1頭はラトーナで、ラトーナの仔はシルクで募集されていますね。牝系からは活躍馬が出ていますが、レトⅡからは活躍馬は出ていないのが現状です。
今年募集されたエピファネイアの産駒の牡馬は19頭おり、4,000万から6,000万円で募集された馬が11頭います。5,000万円という募集価格は概ね平均値と言えます。近親で比較していったとき、同価格帯は近親に活躍馬がいたり、きょうだいに重賞馬がいるケースが多いですね。近親の活躍度合的にはもう少し高額設定にもなりそうですが、上が活躍していないため、この価格に落ち着いたのではないかと思います。
キャロットで募集されたサトノオニキスの21が同価格ですが、そこと比較するとやや割高感を感じます。とはいえ、キャロットはノーザンファームと提携していますから、そこの価格差はあるのかな、という感があります。
総合分析
- 芝の王道路線に適性がありそう
- エピファネイアとShirley Heights(Never Bend)は好相性の組み合わせ
- Diesisは名マイラーKrisの全弟で2歳スプリントG1を2勝
中距離×短距離の組み合わせ
全兄Krisはエフフォーリアにも入る血
父エピファネイアは2021年リーディング6位の種牡馬で、産駒デビュー以降毎年G1馬を輩出する活躍を見せています。種付け料も現在1,800万円で、最高値となっており、次世代を担う種牡馬として地位を確立しています。牝馬三冠を果たしたデアリングタクト、皐月賞と有馬記念を制したエフフォーリア、阪神JFを勝利したサークルオブライフなど、2,3歳の王道路線で活躍する馬を多数出しており、クラシック路線を目指すのに適した種牡馬です。
エピファネイアはRoberto系の種牡馬ながら、Kris S.≒Habitatが2×4を持っており、それ由来の柔らかなストライドを持っています。また、気性難の傾向もあり、もまれ弱い一面も持っています。これらの要素から、大箱で長い直線のコースを得意とする傾向があり、その傾向を後押ししつつも、緩くなりすぎないよう配慮することが必要となってきます。
母レトⅡの父Diesisは欧州で活躍した競走馬で、2歳時にスプリントG1を2勝しています。その全兄には16戦14勝全連体の名マイラーKrisがおり、この兄弟がSharpen Upの血を世界に広めました。Diesisは種牡馬としてかなりの成果を残しており、自身はスプリント路線で走ったものの、クラシックディスタンスをこなす産駒も多く輩出しています。Diesisの血統表を紐解くと、スタミナ血脈が多数入っており、距離適性の幅広さは納得するものがあります。
スタミナ血脈を生かしつつ、マイル以下のスピードやタフさを伝えられれるとすれば、エピファネイア×Diesisは好相性でしょう。また、エフフォーリアがDiesisの全兄Krisの血を持っており、そこからも相性の良さを推測することができます。
祖母LingerieからはShivaとLight Shiftの2頭のG1馬でています。孫世代からも2頭のG1馬が出ており、Lingerieはとても優れた繁殖牝馬と表現できます。Lingerieの父はShirley Heightsで、この血はエピファネイアと好相性だと考えられます。前述の通り、エピファネイアには引き締める要素が求められ、Shirley Heightsの持つNever Bendがその役割を担うことができる点が適合していると考えられます。Sadler’s WellsとNever Bendはニックス関係にあり、そこでの引き締めが効いていると考えられます。
Never Bendはキングカメハメハももちますから、キングカメハメハ由来であればデアリングタクト、それ以外を経由で言えばオーソクレースがNever Bendを持っています。
上記より、相性の良い組み合わせだと考えることができ、かつ厩舎も国枝先生となると、期待できるのではないかと思います。母の年齢と産駒成績だけが心配要素となります。現状はすらっとしていて頼りなさげにも見えるのですが、4月末の生まれですし、良いフレームを持っていると思いますから、ここから中身が入ってくると楽しみな馬体になりそうですね。
クラシックを目指す1頭だと思います。
まとめ
かなり面白い馬だと思っています。出資するかどうか悩ましい1頭で、母の実績的にどうなんだろうか、と勘案しています。エピファネイアの牡馬はシルクで抽選時優先制度で申込落選していますから、欲しい気持ちはかなりあります。
レトⅡの21が3歳時に国枝先生は69歳。古馬初年度まで見てもらえると思うと、そこは安心ですね。
私は以下の図書で学習した知識をもとに分析作業を行っています。もしよろしければ皆さんもご覧ください。