種牡馬-タリスマニック Talismanic の分析

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種牡馬分析 注意書き

 本分析は自分自身が一口馬主として競走馬に出資しており、自分自身の投資先を選ぶための分析を公開している範囲ですので、種牡馬の活躍を保証するものではございません。最終の判断はご自身にて実施をお願いいたします。ご了承ください。

 分析にあたっては、血統評論家の栗山求さん・望田潤さんのブログや書籍をもとに勉強した内容を用いています。お二人のブログは以下。

 栗山求さん → 栗山求の血統BLOG

 望田潤さん → 血は水よりも濃し 望田潤の競馬blog

 そのほか、亀谷敬正さん、治郎丸敬之さん、村山弘樹さんの書籍でも勉強させていただいております。勉強で用いている書籍は以下の通りです。

種牡馬 タリスマニックを考える

 2021年度のノルマンディー二次募集にて、タリスマニック産駒が募集にかけられました。21年度にクラブ募集されたタリスマニック産駒はすべてで4頭で、その中でもノルマンディOCで募集されたチャンドラプラバーの20は、母チャンドラプラバーがG1を2勝したメジャーエンブレムの半姉ということもあり、注目を集めています。

 年間種付け頭数は100頭ほどを推移しているものの、ノーザンファーム生産馬はおらず、ダーレーによる生産がほとんどです。そのため、出資できる機会は少ないものの、なかなか面白い種牡馬ではないかと思いますので、機会を見つけたらぜひ出資してみたい種牡馬だと思っています。

 馬券的にも面白い種牡馬でしょうし、母の父になっても面白い種牡馬ではないでしょうか。

 チャンドラプラバーの20の分析は以下の記事をご参照ください。

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タリスマニック Talismanic の現役時代

馬名:タリスマニック Talismanic 
生年月日:2013年2月28日
所属:仏 アンドレ・ファーヴル厩舎
生産:英 Darlay
戦績:23戦8勝(8-7-1-7)
タリスマニック Talismanic

 2歳7月にデビュー。当初は短距離を使われるも1800mに距離延長をして未勝利を突破。3歳時はフランス牡馬3冠路線のレースである仏ダービー・パリ大賞に出走するも、4着・5着。4歳になってモーリスドニュイユ賞(G2-芝2800m)で重賞初勝利。同年11月に米国最高峰の芝G1であるBCターフ(G1-芝2400m)を制して初のG1勝利。その後に香港で行われた香港ヴァース(G1-芝2400m)で2着に入ります。5歳ではゴントービロン賞(G3-芝2000m)を勝利したのみで、G1競走では掲示板に載れず。

 通算8勝、2着7回と15/23連対と安定した成績を残しています。連帯できなかった8戦のうち、4戦は欧州のG1競走であり、欧州の起伏に富んだ深い芝への適性が高かった馬とは決して言えない馬であったと言えます。

 タリスマニックが制した2017年のBCターフはデルマー競馬場で開催されています。芝コースはダートコースの内側にあり、1週約1400mとかなりの小回りの競馬場です。日本のどの芝コースよりも小回りですね。6回コーナーを回るという形状です。当然直線も短くコーナリングの上手さと加速力が求められます。このレースを制したことから、小回りのコーナーを加速しながらこなすことができ、またコントロール性に富んだ競走馬だったと推測できます。

 2着に入った2017年の香港ヴァースも、直線が長い反面、コーナーはややきつめ。このコーナーを上手にこなして良い位置について直線勝負となるため、コーナーのうまさと直線での伸びが求められます。このレースの動画を見ると、直線での絶対的なスピードで2着に屈した競馬でしたが、コーナリングからの加速はかなり上手に見えます。

 タリスマニックは競走馬としては、小回りのコーナーを加速しながら回ることができる器用な馬で、重い芝よりも軽い芝を得意とした馬だったと言えます。この適性は日本でも通用する要素ではないかと考えられます。

タリスマニックの父系

 タリスマニックの祖父El Pradoは北米で唯一成功したSadler’s Wellsの直仔の種牡馬で、02年には北米種牡馬リーディングを獲得しています。El Pradoは父Sadler’s Wells、母父Sir Ivorという配合。母Lady CapuletSir IvorからSir Gaylordの軽さとスピードを兼ね備えたキレ味を受け継ぎつつ、Tom FoolAtticaのニアリークロスを2×2で持ち、北米パワー血統や加速力を増幅させています。その母の影響を受けた結果、El PradoSadler’s Wellsの重さとスタミナに囚われず、北米で通用する小回り適性と素軽いスピードを産駒に伝えることができたと考えられます。

 El Pradoの産駒は芝・ダート両方で活躍しています。その中でもMedaglia d’Oroは北米ダート王道路線で活躍した産駒です。Medaglia d’Oroは5代アウトブリードで、父El Pradoが強いニアリークロスを持っていることを念頭に置くと、バランスの良い配合です。一方で、その先をさかのぼると、TeddyPrincequilloなど、どちらかというとEl Pradoの母系を刺激する血が多く入っていることがわかります。

 したがってタリスマニックの父Medaglia d’Oroも父系はSadler’s Wellsでありつつも、受け継いでいる要素として強い部分はそれ以外の部分であると考えられます。Medaglia d’Oroはダート馬でしたが、北米のダートで通用するスピードや前向きな気性、コーナリング能力は芝にも応用できており、香港の芝で大活躍しているマイル馬Golden Sixtyを出しています。

タリスマニック Talismanic の血統表

タリスマニック

 タリスマニックはNorthen Dancerの4×4、Natalmaの5×5×5、SpecialThatchの5×5のクロスを持ちます。

 NatalmaNorthen Dancerの母です。Machiavellianも3代母にNatalmaを持っているため、5×5×5となります。加えて、Haloの母CosmahNatalmaと半姉です。Cosmah≒Natalmaで見れば5×5×5×5となります。NatalmaのクロスやCosmah≒Natalmaのニアリークロスで成功している馬は、この血統表にもあるMachiavellianがまずあげられますし、Danzigの代表産駒であるデインヒルNatalmaの3×3を持ち、このクロスを強く持つことは大きな魅力と考えられます。(そもそも、サンデーサイレンス系×Northen Dancer系の配合においては、CosmahとNatalmaの組み合わせは必ず生じます)

 これに加えてSpecialThatchの全きょうだいクロスがあることも大きな魅力です。SpecialSadler’s Wellsの祖母、Nureyevの母です。Specialはスタミナの源となるHyperionを父系に持ち、かつNasrullahの血をNantallahを通して引いていることがポイントとなります。Nantallahは母系にTeddy系の血を持っており、北米的なパワフルさを持つNasrullah血脈です。そのため、Nasrullahの柔らかいスピード要素だけでなく、力強い北米の前向きなパワーを持っていると考えられます。

 そのため、Specialはスタミナと力強さを産駒に伝える要素となり得て、緩く柔らかい馬を引き締める際に有効な手となります。Specialのクロスを持つ馬には、アーモンドアイサートゥルナーリアデアリングタクトエフフォーリアなどがいます。ロードカナロアエピファネイアはSpecialの血を持ちますから、今後も欠かせない血となる可能性が高いと考えられます。

 タリスマニックのポイントとして、SpecialThatchのクロスを持つことで、Sadler’s Wellsのクロスを持っていないことがあげられます。Sadler’s Wellsっぽさが薄いからこそBCターフで活躍できたのであり、Specialからスタミナと北米パワーを得ていたことで2400mの6コーナー戦で成果を残せたと考えられます。

 また、タリスマニックMachiavellianを通してMr.Prospectorの血を引きます。Mr.Prospectorの母父はNashuaは前述のNasrullahと近い血を持っており、SpecialThatchMr.ProspectorNashua≒Nantallahの北米パワーを増幅しているとも言えます。

 タリスマニックが北米の芝や香港の芝で活躍できた要素として、HaloSir Ivorのニアリークロスがあることも見逃せません。

 HaloSir Ivorのニアリークロスを持つ馬はまずディープインパクトがあげられます。ここからも高速芝適性が高い血であることが見受けられます。Halo≒Sir Ivorを4×4で持つタリスマニックは、日本の芝適性も高いのではないかと考えられます。

 Natalmaの多重クロス、Specialの血、Nashua≒Nantallahのニアリークロス、Halo≒Sir Ivorのニアリークロスを持つ馬には、ラヴズオンリーユーがいます。

 ここに加えてタリスマニックは4代母にBurghclereを持ちますが、その部分も共通しますね。

 タリスマニックラヴズオンリーユーは異なる父系を持ちますし、似た要素を持っているだけではあります。そのため、同じように語ることはできませんが、北米の芝G1と香港G1で活躍した点は共通しますし、タリスマニックが芝路線の種牡馬として活躍できる可能性は感じることができます

 タリスマニックは名牝系の生まれであるとともに、すでに大成功している名牝クロスを複数持ち、かつ高速芝適性を高めるニアリークロスを持っていることから、種牡馬として成功する可能性が高いと考えられます。また、こうした偉大な血を十分に持ちつつ、サンデーサイレンスの血を持っていないことから、母の父としても柔軟性を発揮するタイプであると考えられます。

種牡馬としてのタリスマニック

 タリスマニックサンデーサイレンスの血を持たないため、北米や香港以上に高速の日本芝適性を高めていく必要があるのではないかと考えられます。そのため、母系にはサンデーサイレンスの血を引く馬が有効であるとともに、絶対的なスピードを上乗せするために、短距離~マイルで活躍した馬が相手だと良いのではないかと考えられます。

 また、レース画像からも馬格に恵まれていることから、小柄な牝馬が相手でも馬格不足に陥らなそうであるため、ディープインパクトの牝馬などと相性が良いのではないでしょうか。

 この場合、HaloSir Ivorのニアリークロスが増幅されます。一方で、Burghclereの牝馬クロスも発生するため、それが強調するとスタミナや欧州的な要素に傾くため、スピード不足に陥る可能性も高まるリスクがあります。

 ハーツクライMachiavellianの血と相性が良くシュヴァルグランなどが出ています。また、ハーツクライの母系のMy Bupersは北米のパワー血統で、そこがタリスマニックの北米の血とかみ合うと良い成果が出てきそうです。一方で、ハーツクライの産駒は中距離~長距離で活躍する馬が多く、スピードを補う要素としては不足する可能性があります。この辺りは不安要素です。

 短距離~マイルで活躍したダイワメジャーの繁殖牝馬やスペシャルウィークを父に持つ繁殖牝馬は要件に当てはまりそうです。

 ただ、ダイワメジャー肌であれば、あまり大きすぎてもリスクが高まるため、ある程度小柄なほうが良さそうです。スペシャルウィークHaloクロスに加えて、マルゼンスキーを通してTom FoolPrincequilloを補えるため、父の魅力を引き出せるのではないかと考えられます。

 Northen Dancerの血が濃いため、その抜け道となるサンデーサイレンス産駒とも相性が良いと考えられます。具体的にはフジキセキアグネスタキオンマンハッタンカフェです。フジキセキの場合は、芝ではなくダートで出てくる可能性も高そうですね。

 Nureyevの血を持つキングカメハメハも魅力的ではないかと思います。ルーラーシップロードカナロアともかみ合いそうではあります。

 El Prado・Medaglia d’Oroはダート馬を出している種牡馬ですし、タリスマニックの産駒からもダートをこなす馬が出てくる可能性は十分あります。

 Roberto系の血を入れると、NashuaNantallahのニアリークロスが増幅されますし、Kingmambo系以外のMr.Prospector系を入れていけば、北米のスピード要素が強化され、高速ダートをこなす馬が出てくるかもしれません。

 Roberto系の中でもシンボリクリスエスは特別な成果を残しそうです。

 Robertoは北米のパワーに富んだ血統で、それを補いつつ、母系のSeattle SlewTom Foolがスピードと適度な柔らかさを入れてくれる印象があります。この要素がうまくかみ合えば大物が出てくる可能性があるのではないかと思います。

 タリスマニックSadler’s Wellsらしさを薄めて成功した馬だということを前提に考えると、Sadler’s Wellsそのものをクロスするのはあまりよくないのではないかと考えられますSpecialを刺激するのはプラスに働きそうではありますが、Sadler’s Wellsは主張が強い種牡馬であり、そこをクロスするとその要素が復活してきそうです。

 タリスマニックは芝にしてもダートにしても、スピードを強化すること、重さを刺激しないことがポイントになるのではないかと思います。魅力的な血をふんだんに持っている種牡馬ですので、裏を返せば刺激を受ける血が多いとも言えます。どの要素が表出し、馬としての個性や能力を表現するか、わかりにくい馬ではないかと思います。

 それだけに、すべてが魅力的にかみ合ったときの爆発力はとんでもないものがあるのではないかと推測しています。そういう馬が募集馬としてめぐってきたとき、逃さないようにしたいところです。

まとめ

 タリスマニックが種牡馬として成功するためには、ディープインパクト肌やハーツクライ肌の繁殖牝馬と相性が良いかどうかがポイントになりそうです。(その先にはオルフェーヴル肌)

 その肌の繁殖牝馬は数がいますし、サンデーサイレンスの血をひかない種牡馬はそことまずあわせられると考えられます。それだけに、当たり前のことですが、そこと成果が出ると種牡馬として成功できるのではないかと思います。

 5頭から重賞で勝てるような馬が出てくるととても楽しみですね。


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この記事を書いた人

HN:シオノゴハン
趣味:競馬と雑学調べ
一口馬主:
シルクホースレーシング 2019年~
ノルマンディーオーナーズクラブ 2020年~
インゼルサラブレッドクラブ 2021年~
POG:不愉快な仲間たち

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