インゼルサラブレッドクラブ 2022年度募集
インゼルサラブレッドクラブの2022年度募集の先行申込が開始されました。 受付期間は10月1日から23日まで、途中経過は7日と23日に公開されます。これから私自身が検討した内容を文章にし、整理していこうと思っています。その内容が皆様のご参考になりますと幸いです。
募集制度の変更やインゼルサラブレッドクラブの紹介については、過去記事や私のYou Tube動画【インゼルサラブレッドクラブ 加入1年で感じる魅力・推奨ポイントの紹介】をご参照ください。
本分析は募集馬の活躍を保証するのものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にご決断ください。また、私の主観による分析ですので、読者の望まない表現が出てくる可能性もございますが、ご了承ください。
募集馬概要 モーニングリズの21
- モーニングリズの21
- 父:キタサンブラック
- 母:モーニングリズ
- 母父:Acatenango
- 性別:牡馬
- 生年月日:2021年3月30日
- 母17歳時の産駒
- 所属予定:栗東 清水久詞厩舎
- 生産:チャンピオンズファーム
- 募集総額:2,800万円
- 一口価格:56,000円
モーニングリズの21はチャンピオンズファームの生産馬です。インゼルでチャンピオンズファームの馬が募集されるのは今年が初めてです。
母モーニングリズはドイツ出身の繁殖牝馬で、競走成績は未出走引退となっています。英愛で6頭の産駒を残したのち、日本に来ており、19年から産駒が誕生しています。現状、日本での産駒は未勝利です。欧州で残した産駒についても、あまり大きな成果は残せていません。
ドイツ牝系らしく、Mの頭文字を代々受け継いで命名されています。祖母モーニングライトからは仏二冠馬のBramelot、三代母MosellaからはMonsunが出ています。Monsunはノヴェリストの父で、日本でも名前を良く見かけるドイツ種牡馬。母の父としてはソウルスターリングやヴェロックスが出ています。スタミナに富んだ牝系だと考えられます。
父キタサンブラックの種付け料は2020年当時400万円。今年のキタサンブラック産駒の牡馬はG1TCで募集されたヴィルジニアの21が6,000万円が突出しているだけで、他は3,000万円前後で募集されています。モーニングリズの21は2,800万円募集で、最安値となっています。
総合分析
- LyphardとHyperionの前粘りタイプではないか
- 前に行って粘るのに良い血が多く、前粘りの競馬に期待
- 距離は長いほうが良さそう
- Halo≒Boldnesianのスピードが出るかどうか
- スピード的な要素はそこで、その要素が出れば妙味
父キタサンブラックは2021年に産駒がデビューしたばかりですが、イクイノックスが皐月賞と日本ダービーで2着に入るなど、初年度産駒からクラシック路線賑わす成果を残しています。
キタサンブラックに関する詳細な分析は以下の記事にまとまっていますので、ぜひそちらをご参照ください。
上記の記事で書いた内容より、ざっくりポイントを引き出すと、短距離~マイルのスピードを取り入れる(Northern Dancer系統が望ましい)こと、大きく緩そうな馬には注意が必要、というあたりでしょうか。
モーニングリズの21は父中長距離のキタサンブラックに、同じくドイツのスタミナ血統のAcatenangoですので、スピード的な要素は薄いと言えます。Acatenangoを父に持つ繁殖牝馬で最も有名なのは、ワールドエース・ワールドプレミア・ヴェルトライゼンデを出したマンデラでしょう。ワールドエースはマイルを走りましたが、ワールドプレミアは菊花賞・天皇賞春を勝利。スタミナ×スタミナの組み合わせとなりました。
母モーニングリズはSurumuの2×3という強烈なクロスを持っており、ここがスタミナの源泉となると考えられます。Surumuの2代母Suncourtはテスコボーイの母でもあります。キタサンブラックの母の父サクラバクシンオーはテスコボーイの系統の馬ですから、モーニングリズの21はSuncourtの6×5×6を持ち、そこがHyperion血脈としてかなり強いものを持っています。前で粘っての競馬には期待ができるでしょう。
では先行力やスピードがあるかどうか、が気になるところです。母モーニングリズはLaw Societyの血を持ちますが、Law Societyはマンハッタンカフェの母の父としても知られます。マンハッタンカフェはスタミナに富んだ馬ですが、ジョーカプチーノのようなスプリンターも出しています。
Law Societyはスタミナ血統であるRibot系の競走馬ですが、Tom Rolfeの系統でもあり、前向きな気性を持っているタイプです。加えて、Boldnesianの血も引いており、これがHaloとニアリーな血統構成をしています。
このHalo≒Boldnesianの4×5がスピード要素として機能し、かつ、Law Societyの突進力がサクラバクシンオー的な要素とマッチしてくると、先行する気性とスピードが伴い、前述の粘り要素で先行押切型としての活躍が期待できそうです。
馬体はすらっとした感じで、鈍そうな感じは受けませんでした。このままあまり大きくならないほうが距離的にも良さそうな感じがしますね。
まとめ
今回の募集で人気を集めている馬ですね。厩舎はキタサンブラックを管理された清水先生ですし、その辺りも楽しみな環境です。私はもう少しスピードのありそうな母の父の方が良いと思っており、かつ社台グループ生産のキタサンブラック産駒を狙っているため、今回は申し込まない予定です。