インゼルTC募集馬配合分析 ハーツクライ産駒
インゼルサラブレッドクラブの募集馬にはハーツクライの産駒が4頭います。すでに2頭は記事にしました。残りの2頭については、まとめてご紹介しようと思います。
そもそもハーツクライをどのように考えるか、という記事は以下より
すでにブログ掲載済みのハーツクライ産駒は以下よりご参照ください
No.03 エレクトラレーンの20
No.05 スカイダイヤモンズの20
インゼルTC募集馬配合分析 チリエージェの20
No.10 チリエージェの20 牡馬3月22日生
父 | ハーツクライ |
母 | チリエージェ |
母父 | サクラバクシンオー |
生産 | 白井牧場 |
厩舎 | 栗東 松永厩舎 |
一口価格 | 112,000円 |
母チリエージェは短距離路線で活躍した競走馬で、5勝をあげています。 上にはスプリント路線で活躍したハクサンムーンがいます。チリエージェの20は両親ともに19歳時の産駒です。ともに高齢ですね。
ハーツクライ×サクラバクシンオーは勝ち上がり率5割超のニックスです。ただ、重賞を制覇したのは障害競走でのスマートアペックスのみです。
ハーツクライは中長距離の馬ですから、配合相手として短距離~マイルの馬を掛け合わせると、父のスタミナで長い距離を母のスピードを生かして走るような形になります。この配合もその形に当てはまります。
ハーツクライはトニービンの影響でトモが緩い馬が多いため、強靭な後躯を持つNorthen Dancer系の血を入れないと3歳からの活躍はなかなか難しくなります。チリエージェの20の場合、Lyphardの4×5を持ち、Northen Dancer全体では5×5×6×7を持ちます。Lyphardクロスも魅力的ですが、緩さの解消ではノーザンテースト≒Nijinskyが良い効果を持ちそうです。北米的な血脈を含んでおり、それがハーツクライ3代母のMy Bupersの米血と相性が良く、そこを引き出せれば力強さが増してくると思います。ただし、ノーザンテーストも成長力が売りの血ですから、この馬の配合だと晩成傾向に出るのではないかと思います。
ハーツクライと相性の良い血といえば、Mill Reefがあげられます。この馬もMill Reefの血をShirley Heightsを通して引いており、良い末脚を引き出してくれそうです。
好相性のニックスと成長力に期待できる血統ですから、勝ち上がれば長く楽しませてくれる1頭なのではないかと思います。セール購入価格からほとんど値をあげずの募集ですから、かなり良心的な価格設定になっていると思います。
インゼルTC募集馬配合分析 ブーケトウショウの20
No.15 ブーケトウショウの20 牡馬3月16日生
父 | ハーツクライ |
母 | ブーケトウショウ |
母父 | サクラバクシンオー |
生産 | 杵臼牧場 |
厩舎 | 栗東 須貝厩舎 |
一口価格 | 46,000円 |
母ブーケトウショウは短距離路線で3戦して未勝利です。産駒はこの馬含めて6頭おり、勝ち上がりは初仔のミトノブラックのみです。トウショウ軍団のかまど馬、ソシアルバターフライの牝系に属します。母10歳時の産駒です。
解説の半分は前述のチリエージェの20に共通します。ハーツクライ×サクラバクシンオーはニックスであり、中長距離×短距離という組み合わせも同様です。
一方で、ブーケトウショウは母系にNorthen Dancerの強いクロスを持ちません。ノーザンテーストが入ることは共通しますが、頑強さを加えてくれそうなNorthen Dancerの血はほかにありません。そのため、仕上がりは遅めに出るのではないかと思います。
加えて、母系に入るHabitatの血は柔らかいスピードを産駒に伝える血であり、スピードアップにはプラスですが、馬体が緩んでしまう恐れがあります。それゆえに、早期に馬体がしっかりしてくれば、スピード全開で走ってくれるという期待は持てそうです。歴史ある血ですが、ヴェンチアの血がハーツクライの3代母My Bupersと相性が良いMan o’Warの血で、そこが生きてくるとパワフルかつ快速になりそうです。
現時点で馬体はある程度しっかりしているようですし、牡馬であることも含めれば、2歳から見ることができそうです。本格化が楽しみな1頭です。
まとめ
ハーツクライ募集馬2頭について分析しました。どちらも母父サクラバクシンオーという共通点があるものの、そこから先はかなり異なる個性を持っていますね。
競馬の予想や血統表を見るとき、父×母父に目が行ってしまいますが、詳細まで分析することが大事ですね。