【玄野記事】キャロットC 2022年度募集馬分析 ローズノーブルの21

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 平素よりお世話になっております。(自称)血統研究家の玄野源です。

 2022年09月01日、キャロットクラブの2022年度1次募集が開始されました。今回は、募集馬の中から出資推奨馬として、ローズノーブルの21について分析しようと思います。参考にしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 本分析は募集馬の活躍を保証するものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にて実施をお願いいたします。
 また、馬券的な分析をするものではなく、一口馬主として出資をするうえでの分析ですので、馬券を検討する際の情報としては有効なものではありません。ご了承くださいますようお願いいたします。

目次

募集馬情報

ローズノーブルの21
  • ローズノーブルの21
    • 父:ドレフォン
    • 母:ローズノーブル
      • 母父:ディープインパクト
    • 性別:牝馬
    • 生年月日:2021年03月21日
    • 所属予定:栗東 吉岡辰弥厩舎
    • 生産牧場:ノーザンファーム
    • 募集総額:2,800万円
      • 一口価格:70,000円

父ドレフォンについて

競走実績

 通算成績9戦6勝(USAダート6-7F)。16年エクリプス賞最優秀短距離馬。2歳11月の未勝利戦を9馬身半差で圧勝。二の脚でハナを奪う逃げの競馬で勝利を重ね、3歳夏のG1-キングズビショップSでG1初制覇。続くG1-BCスプリントでは、番手追走から4角で逃げ馬を競り落とすと、そのまま後続に1馬身1/4差を付け優勝。5連勝で北米短距離界の頂点まで上り詰めた。4歳初戦のG1-ビングクロスビーSではスタート直後落馬のアクシデントに見舞われるが、次戦G1-フォアゴーSでは4馬身差の完勝でタイトルを重ねた。

血統・配合

 Gio Pontiの初年度産駒。母Eltimaasは未出走だが、G1-BCジュヴェナイル(USA)を制したエクリプス賞最優秀2歳牡馬Action This Dayの半妹。父Gio Pontiは09年・10年エクリプス賞最優秀芝牡馬を受賞した中距離馬で、二代母父TrempolinoはG1-凱旋門賞(FR)など重賞2勝。牝祖Bitty GirlはG2-クイーンメアリーS(GB)など重賞3勝、その半弟ホツトスパークはG1-フライングチルダーズS(GB)など重賞2勝で、日本で種牡馬として活躍。血統表の随所に芝適性を覗かせている。

 配合のポイントとしては、Storm Cat×Deputy Minister×In Realityが挙げられる。この配合はJustifyミスターメロディなどと共通し、Eight Thirty≒Good Example≒War Relic(Friar Rock・Fairy Play・Commando)血脈の累進によって北米的馬力を増幅する。実馬は筋肉量は豊富だが、やや薄手の造りで肩や繋も寝気味であり、ステレオタイプな北米チャンピオンスプリンターのイメージとは異なる印象を受ける。

種牡馬実績・世代評価

 18年より社台スタリオンステーションにて供用開始。21年JRAファーストシーズンリーディングサイアー(2歳5位)。22年JRA総合15位(現時点)。 21年産駒は3世代目にあたり、当時種付料は300万円。一般的に、3・4世代目は初年度産駒デビュー前に種付を行うため、それ以前と比較して繁殖の質を落とす傾向にある。本馬も例に漏れず、初年度の繁殖と比較すると見劣るのは否めない。アベレージが出にくく、個体毎の相馬がより重要な世代になると予想される。

代表産駒

 ジオグリフ 19年産 母アロマティコ (by キングカメハメハ)

  主な戦績 G1-皐月賞など重賞2勝

 デシエルト 19年産 母アドマイヤセプター (by キングカメハメハ)

  主な戦績 L-若葉S

 カワキタレブリー 19年産 母カフジビーナス (by ディープインパクト)

  主な戦績 G1-NHKマイルC3着

 コンシリエーレ 19年産 母ターシャズスター (by Spanish Steps)

  主な戦績 OP-カトレアS

母ローズノーブルについて

競走実績

 通算成績22戦4勝(芝1500-1800m)。3歳6月の未勝利戦で勝ち上がり。東京・新潟・札幌といった平坦大箱コースで勝ち星を重ね、5歳夏には準OPクラスまで昇格した。

血統・配合

 ディープインパクトの2世代目産駒。母ヴィアンローズはG3-ノネット賞(FR)制覇。半弟アジュールローズはL-プリンシパルS制覇、全弟シュヴァリエローズはL-萩S制覇。ディープインパクト×Caerleonダノンシャークジョワドヴィーヴルなどと共通し、勝馬率68.4%(54/79)、平均本賞金額4,243万円。Lady Rebecca≒Foreseer(Turn-to・Princequillo・Pharamond・Sir Gallahad)の相似クロスによって、Nasrullah×Princequillo体質と、その弊害として非力さが強調される配合。本馬の線の細さや平坦大箱適性はここに由来すると考えられる。

繁殖実績

 16年 ノーブルワークス (by ワークフォース) 中央2勝

 17年 ジュビリーヘッド (by ロードカナロア) 中央4勝 (現役)

 18年 シュプールロイヤル (by エピファネイア) 中央未勝利、地方未勝利 (現役)

 19年 流産 (by ジャスタウェイ)

 20年 ミントマーク (by ルーラーシップ) 未出走

 出走産駒勝馬率66.7%(2/3)。21年産駒は母12歳時5番仔

本馬ローズノーブルの21について

ニックス

 ドレフォン×Caerleonは勝馬率42.9%(3/7)、平均本賞金額1,435万円。デビュー直後の2歳馬を除けば、勝馬率60.0%(3/5)平均本賞金額2,010万円に上昇。ドレフォン産駒3歳馬全体の勝馬率51.3%(58/113)、平均本賞金額958万円を上回るため、ニックス判定が出来る。

 Storm Cat×Caerleonは、Storm Bird≒Nijinsky(Northern Dancer・Bull Page・Flares=Omaha)・First Rose≒Flaring Top(Menow・Sir Gallahad・Commando)・Nasrullah×Princequillo血脈が共通する相似配合。このニックスの稼ぎ頭であるカワキタレブリーとは、母父がディープインパクトである点も共通しており、Nasrullah×Princequillo血脈的な芝向きのしなやかさとスピードがより際立つ配合となっている。余談だが、キズナ(ディープインパクト×Storm Cat)×Caerleonは、マルターズディオサ・アブレイズ・クリスタルブラックなどと共通し、勝馬率50.0%(14/28)、平均本賞金額1,753万円のニックス。主たる構成が似通うドレフォン×ディープインパクト×Caerleonが今後大爆発したとしても何ら不思議ではない。

アウトライン・総評

 「父マイラー×母父長距離」で長短のバランスは適切。(二代母)5代アウトブリード→(母)遠交→(自身)5代アウトブリードと、配合パターンとして活力に欠ける点は否めないが、それでもOP馬を複数頭輩出している牝系は一定以上の評価を与えてよい。

  母の影響が強く、測尺(8月上旬)時点で馬体重416㎏と小さく出た。ただし、母はデビュー時394㎏からラストラン時428㎏まで増量、既デビューの兄姉も軒並みデビュー時から20㎏程度は増加している。本馬もいかにも成長途上という馬体で、今後の成長力に期待が持てる。また、同配合カワキタレブリーも420㎏前後の軽量馬ながら活躍しているため、仮に然程大きくならなくても悲観する必要はない。管囲19.2㎝であることを考えれば、寧ろほどほどのサイズに落ち着いてくれた方が良いだろう。

 預託予定の吉岡師は栗東の若手有望株で、NF序列は中位。昨年には開業2年目にして重賞3勝を挙げるなど順調にキャリアを重ねており、年々預託馬レベルも上昇中。バレないうちに先物買いしておきたい厩舎だ。

 ドレフォンはコルトサイアー説が囁かれているが、同様のパターンで2年目産駒から二冠牝馬を輩出した前例を最近見たばかりなので、然程気にしていないことにしている。ほぼ間違いなく適性は平坦大箱芝マイルなので、京都競馬場改修工事完了のベストタイミングでデビューを迎えられる点が嬉しい。夏のローカル場や秋の京都開催で勝ち上がり、デイリー杯やシンザン記念で重賞挑戦、最大目標はマイルCS、そこまでは厳しいとて京都牝馬S・スワンS辺りでの活躍を…と夢は拡がる。

まとめ

 以上がローズノーブルの21についての分析となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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