種牡馬‐リオンディーズを考える
今回はリオンディーズについて考えていこうと思います。
リオンディーズはシーザリオの子どもで、エピファネイアの半弟にあたります。エピファネイアは2010年生まれ、リオンディーズは2013年生まれです。産駒のデビューはエピファネイアが2019年、リオンディーズは2020年となっています。
エピファネイアの記事と、シーザリオの記事はぜひ以下のURLよりご参照ください。


リオンディーズの種付け料は2017年の100万円から年々上昇し、今年は300万と発表されています。実はこの価格はリアルスティールよりも高く、キタサンブラックと同じです。
出資価格が安価なのはここ1,2年で終わってしまうかもしれません。シルクホースクラブからは牝馬3頭が募集される予定となっています。
この記事はこんな人にオススメ
- 一口馬主を始めようか悩んでいる人
- 一口馬主を始めることは決めたけれど、どのクラブにしようか悩んでいる人
- すでに一口馬主を始めていて、同じ馬や同じクラブで出資している人
- シルクホースクラブの20年産駒募集で出資を検討している人
並みのサラリーマンの一口馬主ライフってこんな感じか、と思ってもらえたらと思います。
リオンディーズの現役時代と産駒傾向
リオンディーズもすでに産駒がデビューしていることから、現役時代はコンパクトに説明します。
リオンディーズは2013年生まれで、15年にデビューし、16年の日本ダービーを最後に引退しています。5戦2勝でG1は15年朝日杯FSを制しています。その後、クラシック路線では、弥生賞2着、皐月賞5着(4着後降着)、日本ダービー5着という戦績を残しています。募集総額1億2000万に対し、獲得賞金1億3000万という戦績でした。
同期にはサトノダイアモンド、ゴールドドリーム、ディーマジェスティ、マカヒキ、エアスピネルなどがいます。まだ現役馬がいる世代です。
母シーザリオ、半兄エピファネイア同様に気性にかなり難がある馬で、道中まともに走っていたのは5戦中1度もなかったのではないでしょうか。新馬はずっと引っ張っていますし、朝日杯FSは出遅れ、以降は前に行ったり後ろになったりと、安定しませんでした。
馬群の外に出て、気持ちよく走れるようになるとすごい脚を使うあたり、大箱コースの外枠や小頭数が得意だったのだと思います。坂で止まるタイプではありません。
産駒は芝・ダートどちらもこなし、それは兄のエピファネイアとは明らかに異なります。距離も幅広く適応しており、短いところから長いところもまで成績がそう大きく変わりません。阪神1800mや東京1800mなど、スタートが平坦で力がかからず、長く広い直線と坂があるコースに良績があります。最初に力まなくて済む、かつ長い直線で外に出して勝負できるというコースが得意と考えられます。
母父にはNorthen Dancerの血が薄い馬のほうが良績が集まっています。
リオンディーズの血統表
リオンディーズの血統表は以下の通りです。

シーザリオの記事では以下の通りシーザリオの特性をまとめました。
総合していくと、スピードと加速力と柔らかさとスタミナの要素が結構集まっており、その代わりに気性の繊細も受け継いでいるようです。一方、スタート同時に突進してそのまま逃げ切ってしまうような要素や、馬群を割ってゴリゴリにまくってくるような要素、つまるところアメリカンなパワフルさはあまり強く持っていない印象です。
リオンディーズの場合、父キングカメハメハの持つNureyevとLast Tycoonが、シーザリオの持つSadler’s Wellsとニアリークロスの関係にあることによって、パワーを補っていると考えられます。

Sadler’s Wells と Nureyev は3/4同血で、Northen DancerとSpecialを通して締まりとパワーを産駒に伝えます。Forliの血がスタミナを強化していくので、リオンディーズは幅広い距離をこなせたのだと考えられます。
ここにLast Tycoonが入ると、母父Mill Reefを通してBold ReasonとNever Bendのニアリークロスが生じます。Bold ReasonとNever Bendは同じ母Lalunを持ち、Lalunを通して米国的なパワーとLa Troienneのパワーを産駒に伝えます。
この3頭のNorthen Dancerクロスが母シーザリオに不足しそうなパワーをリオンディーズに伝えています。
また、Last TycoonはBuckpasserの血も引いており、その血はスペシャルウィークの母父マルゼンスキーも引いています。ここでTom Foolのクロスが発生し、キレイな足さばきとスピードを産駒に伝えています。
リオンディーズがエピファネイアと異なり、坂やダートをこなすのは、Habitatを刺激していないからだと考えることができます。キングカメハメハは短いところもダートもこなす種牡馬で、Habitatも刺激していないことから、幅広い距離適性と馬場適性を持っていると考えられます。
総合すると、牝馬クロスを有効に使いつつパワーを補い、幅広い適性を手に入れたのがリオンディーズだと考えられます。
どのような配合の産駒が走ると考えられるか
リオンディーズの場合、Northen Dancerの多頭クロスが発生しており、母系にもNorthen Dancerが大量に入るとその血が濃くなってしまいます。
日本の高速芝適性を高める意味でも、Northen Dancerの血を持たない、もしくは薄く持つくらいのサンデーサイレンス系種牡馬を母父に持つことが効果的だと考えれます。
候補として考えられるのは、フジキセキやマンハッタンカフェ、アグネスタキオンでしょうか。
そのほか、Northen Dancerの血が薄い牝馬との掛け合わせもプラスに働きそうです。シルクホースクラブで募集されたアナザーリリックはオープンを勝ちましたが、母アンソロジーは5代までにNorthen Dancerを1ラインでしか持ちません。
Nureyev や Sadler’s Wellsをこれ以上刺激せず、Northen Dancerを入れるにしてもLyphardやDeputy Minister系にして、異なる個性を取り入れたほうが良いと考えられます。また、Northen Dancerの血を入れる場合は、Mr.Prospector系の血やサンデーサイレンスの血も併せて入れ、個性としてNorthen Dancer以外の要素を強めることで、取り繕うこともできると考えられます。
ダートも走る馬が出ていますが、引き継いでいる血の個性からすると、大物は芝で出るのではないでしょうか。対応できるという範囲で、本質的にはダート種牡馬ではないと考えられます。
まとめ 20年産駒シルク募集馬について
シルクホースクラブで募集されるリオンディーズ産駒は以下の3頭です。
- ウインミーティアの20 牝馬 美浦 萩原清厩舎 1口/40,000円
- ヒルダの20 牝馬 美浦 稲垣幸雄厩舎 1口/36,000円
- スウェアトウショウの20 牝馬 栗東 四位洋文厩舎 1口/36,000円
今年はまだかなり格安です。
ウインミーティアは母父アグネスタキオンで、Northen Dancerを5代まで持たず、かつHabitatの血も引いており、スピードと加速力がありそうです。非力に触れすぎるともったいないですが、活躍する可能性が高そうです。
スウェアトウショウは母父ディープインパクトで、母母父ダンシングブレーヴです。Lyphardクロスが強く出ていますが、Halo≒Dorone≒Sir Ivorのニアリークロスがあり、Halo要素が強い馬です。この馬は気性が結構心配ですが、面白いのではないでしょうか。
すべて牝馬ではありますが、通常出資で投資できるのであれば狙いたいですね。
引き続きよろしくお願いいたします。