サンデーTC 22年度募集馬分析 ザガールインザットソングの21

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 平素よりお世話になっております。(自称)血統研究家の玄野源です。

 2022年6月6日、社台サラブレッドクラブ・サンデーサラブレッドクラブ・G1サラブレッドクラブ(以下社台40口クラブ)の2022年度1次募集が開始されました。

 22年クラシックでは、ジオグリフ(サンデーTC)が皐月賞を制覇、スターズオンアース(社台TC)が牝馬二冠達成。また、6月から始まった現2歳世代の新馬戦に於いても、ダイヤモンドハンズ(サンデーTC)、ノッキングポイント(サンデーTC)、クラックオブドーン(G1TC)、マラキナイア(社台TC)、ウンブライル(サンデーTC)が新馬勝ちと、馬券的・POG的にも圧倒的存在感を誇る社台40口クラブ。

 今回は、そんな社台40口クラブ募集馬の中から出資推奨馬として、ザガールインザットソングの21について分析しようと思います。参考にしていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

目次

募集馬分析 注意書き

 本分析は募集馬の活躍を保証するものではございません。出資などの最終のご判断はご自身にて実施をお願いいたします。

募集馬情報

ザガールインザットソングの21
  • ザガールインザットソングの21
    • 父:キズナ
    • 母:ザガールインザットソング
      • 母父:My Golden Song
    • 性別:牡馬
    • 生年月日:2021年02月02日
    • 所属予定:栗東 矢作芳人厩舎
    • 生産牧場:白老ファーム
    • 繫養:白老ファームYearling
    • 募集総額:6,000万円
      • 一口価格:1,500,000円

血統分析

 父キズナは通算成績14戦7勝(芝1800-2400㍍)、13年JRA賞最優秀3歳牡馬を受賞しています。2歳10月の新馬戦(京都芝1800㍍)、黄菊賞(京都芝1800㍍)を連勝。3歳春の毎日杯-G3(阪神芝1800㍍)で重賞初制覇を果たすと、間隔の詰まる皐月賞ではなく京都新聞杯-G2(京都芝2200㍍)を選択し重賞連勝。迎えた大一番、東京優駿-G1(東京芝2400㍍)では、大外一気の末脚でエピファネイアを差し切り、世代の頂点に立ちました。秋には欧州遠征を敢行し、前哨戦のニエル賞-G2(ロンシャンT12F)を優勝。凱旋門賞-G1(ロンシャンT12F)でも4着と健闘しました。

 自身の血統は、Pacific Princessから連なる牝系で、ビワハヤヒデ・ナリタブライアン兄弟を近親に持ちます。また、半姉にファレノプシス、半兄にSunday Break(ピーターパンS-G2など)を持ちます。配合のポイントとしては、ディープインパクト×Storm Catディープインパクト×Pacific Princessという2つのニックスが挙げられます。前者はSir Ivor≒TerlinguaによってNasrullah×Princequillo血脈を増幅し、ディープインパクトのしなやかさを最大限に引き出します。本馬の他にラヴズオンリーユー・ダノンキングリー・コントレイルなどと共通し、東京を中心とした大箱コースで無類の強さを誇りました。後者はDonatello・Hyperion≒All Moon Shine・Fair Trial・Dark Ronaldなどのクロスによって、ディープインパクトのBurghclere的スタミナを刺激します。本馬の他にラストインパクト・モンドインテロ・ゼーヴィントなどと共通し、勝馬率85.7%(6/7)、平均本賞金額20,088万円。牡馬に限定すると勝馬率100.0%(6/6)と、主に牡馬に対して中長距離質な持続力を遺伝しました。これら2つのニックスによるしなやかさと持続力、更にはDamascus的なフィジカルの強さも発現し、大箱中距離のロングスパート戦に於いて高いパフォーマンスを発揮しました。

 種牡馬としては、21年産駒が5世代目となります。産駒デビュー初年度の19年は、エピファネイアを抑えてファーストシーズンリーディングサイアーを獲得しました。産駒デビュー2年目の20年には中央総合リーディング8位、21年にはディープインパクト・ロードカナロアに次ぐ3位と順調にステップアップ。アカイイトが21年エリザベス女王杯、ソングラインが22年安田記念でG1制覇、ディープボンドが21年フォワ賞-G2、バスラットレオンが22年ゴドルフィンマイル-G2で海外重賞制覇など、幅広いジャンルで重賞馬を輩出しています。種牡馬戦国時代と言われる現代に於いて、ポストディープインパクトとして一歩抜け出した存在と言えるでしょう。

 産駒傾向としては、「優れたフィジカルと前向きな気性」という父であるディープインパクトとは異なる要素、言わば母父であるStorm Cat的要素を強く遺伝しています。牡馬に対しては前述のPacific Princess的持続力を伝えており、ディープボンドを始めとした先行力を活かしたタイプが目立ちます。一方牝馬に対してはPacific Princess的資質よりもディープインパクト×Storm Cat的資質を伝えやすく、ソングラインを始めとしたキレるマイラーが多く見られます。

 母ザガールインザットソングはラカニャーダS-G2(サンタアニタD8.5F)などUSA5勝(T8F・D5-8.5F)。芝でもL勝ちの実績を持つ上級マイラーです。遡るとその2代母Alysbelleは、Alysheba(北米二冠馬、88年エクリプス賞年度代表馬)の全妹。マチカネキンノホシ、マチカネニホンバレ=サトノティターンなどを近親に持ちます。本馬は母10歳時の4番仔にあたります。

 本馬の配合のポイントはキズナ×Unbridled’s Song(=アジアンミーティア)です。この配合はビアンフェなどと共通し、勝馬率100.0%(2/2)、平均本賞金額9,880万円となります。キズナ産駒全体では勝馬率53.7%(204/380)、平均本賞金額1,666万円であるため、ニックスと言えます。

 母数が少ないにも関わらずニックス判定を下したのは、この配合に明確な根拠が存在するからです。ディープインパクト×Storm Catは、前述の通りディープインパクトのしなやかさを刺激するニックスですが、ディープインパクト×Unbridled’s SongもSir Ivor≒Inantation≒CequilloによってNasrullah×Princequillo血脈を増幅し、ディープインパクトのしなやかさを刺激するニックスです。この2つの血脈を併せ持つコントレイルが無敗の三冠馬となったように、重ねることで更にその強みが際立つ配合パターンであると言えるでしょう。ラウダシオン(父リアルインパクト)やビアンフェ(父キズナ)など、ディープインパクト後継種牡馬の産駒でもこの配合は成功しており、本馬を含め今後も要チェックです。

 配合のアウトラインとしては、母父My Golden Songを異系とした「3/4ND・1/4異系」、「父中距離×母マイラー」と、整った5代血統表となっています。二代母がDixieland Band×Alysbelle(=Alysheba)という晩成粘着馬力型なので、コントレイルのように華やかにキレるタイプというよりはディープボンドのように先行して粘り強いタイプに成長するでしょう。クラシックを狙うのであればダービーよりも菊花賞、そんないぶし銀の中長距離馬を求める人にお勧めしたい一頭です。

まとめ

 以上がザガールインザットソングの21についての分析となります。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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